長生の薬なし


「心身を健全に保つ衛生の道はあるが長生の薬はない」と言われることがあるが、これは、養生の道はあるけれど、生まれて、ついていない命を長くする薬はないという意味である。
養生とは、ただ生まれついて持っている命を保つ道である。
益軒さんは、長生きの薬はない。
天寿を全うすることこそ、養生の根幹、と教えている。
【原文】
「衛生の道ありて長生の薬なしといへるは、養生の道はあれど、むまれ付かざるいのちを、長くする薬はなし。養生は、只むまれ付たる天年(てんねん)をたもつ道なり。」
(巻第 7 ・用薬)