社外取締役メッセージ


新任取締役メッセージ
江口 真理子
社外取締役
私は国内外の金融機関でコーポレートファイナンス、資本市場業務、企業広報に携わってきました。
これまで培った専門性、知見を活かしツムラの企業価値向上、成長戦略に貢献したいと考えています。
医療も進化し長寿を全うできる社会が到来しました。健康リスクを未病から把握すること、個別医療が注視されています。漢方が歴史の中で実証してきたことへの評価の深化、東洋医学と西洋医学が融合する観点からも、ツムラは世界の健康増進に寄与するポテンシャルの高い企業と考えます。また、有限な自然資本を守りながら成長することが企業に一層求められる時代となりましたが、これはツムラが創業から大切にしてきた精神です。社会との共有価値創造に、従業員、経営陣が誇りを持って取り組める企業だと感じています。
土屋 智恵子
社外取締役(監査等委員)
私は弁護士として、企業法務を中心に、幅広い業務に携わってきました。国際取引などの経験と専門的知見を活かし、内在するリスクやコンプライアンスに関する事項について、積極的に意見を述べていく考えです。また、コーポレート・ガバナンス体制の適正な構築と、実効性のある運用の監督にも注力していきます。特に中国は、生薬の調達や製造拠点であると同時に、将来の成長に欠かせない市場でもあります。日本事業と併せて現地の情報をタイムリーに把握し、適切な統制が図られるようモニタリングに努めます。
漢方が生み出す価値は、世の中でまだ十分に認知されていない面があります。だからこそ、ツムラには大きな伸びしろがあり、製商品の普及と健康寿命の延伸に貢献できる存在だと考えています。
2024年度の取締役会での議論について
三宅 博
社外取締役
第1期中計期間を振り返ると、2022年に上海ロックダウンの影響で上海工場が稼働停止し、限定出荷を実施せざるを得なかったのは残念な出来事でした。一方で、BCPに基づいてあらゆる手立てを講じ、供給継続に努めたことは評価できます。5つの戦略課題においては、中国事業における中成薬企業との業務提携が未達に終わったものの、その他の課題は着実に進捗したと認識しています。ただし、ヘルスケアなど新しい事業領域に対応できる人財の育成は、まだ途上にあります。
ツムラの指名・報酬諮問委員会は、2024年度より指名諮問委員会と報酬諮問委員会に分離しました。これにより、各委員会の効率と実効性を高めています。長期経営ビジョン実現に向けたポイントは、中国事業をはじめ米国・アジアでの展開を見据えたグローバル人財の育成と、女性人財の登用だと考えます。第2期中計期間も、引き続きコーポレート・ガバナンス体制を注視し、企業価値向上への取り組みを支援していきます。
岡田 正
社外取締役
2024年度の取締役会で、最も時間をかけて議論したのは中国事業です。技術・業務提携のパートナー選定や投資額の妥当性、シナジー効果、成長シナリオについて議論を行い、ツムラの企業価値向上に結びつくか否かという観点で、検討を重ねてきました。投資判断、提携等のタイミングを逃さぬよう、機動的な意思決定も重要です。そこで、社外取締役会議での事前検討や独立した報告会を設けて、常に意思決定の準備を整えるよう努めています。
第2期中計期間は、昨今の物価上昇の影響で、生産設備などへの投資額が、当初計画よりも大きく増加することに加え、中国事業における業務提携も予定しています。したがって、取締役会では投資金額の妥当性や投資回収の考え方について注意を払い、必要に応じて計画修正等の要請を行っています。
長期経営ビジョンを実現するための要点は、施策の実行スピードです。現中計で提起されている各施策の実施状況を評価し、執行部門がPDCAをより速く回していくことを要請していきます。
望月 明美
社外取締役(監査等委員)
社外取締役に就任して6年が経ち、ツムラを取り巻く環境変化の速度が上がっていると感じています。すなわち、スピーディーな決断が重要になり、事業推進のリスク要因に「時間」が加わったと認識しています。
定時取締役会については、議題をもっと絞り込むことで実効性を高められるのではないかと考えます。一方、突発的な事項や緊急性を要する案件に関しては、定時開催に縛られることなく、オンラインミーティング等も活用し、タイムリーに議論することが肝要でしょう。
今後も、私は長期経営ビジョンの実現に向けて、監査等委員という立場から、取締役会での議論が適正かつ十分に実施されているか否かを監査・監督していきます。その上で、社外取締役として議論の活性化に寄与したいと考えます。当社は諸案件について、常に真摯かつ慎重に対応し、判断を下しています。ただし、この特質は利点でもあり、時には欠点にもなるため、取締役会が事業の推進を阻害することにならないよう留意していきます。