大寒 初候

款冬華さく(ふきのとうはなさく)

1月20日〜1月24日頃

フキノトウは雪解けを待ちかねたように地上に顔を出す、春いちばんの使者。冬眠からめざめた熊がいちばん最初に食べるのが、フキノトウだと言われています。

フキノトウはカルシウム、カリウムが豊富で、栄養満点。肝機能を高める、免疫力を高める、骨や血液を再生する、滋養強壮、解毒効果のある食材で、もっとも古くから愛されてきた日本原産の山菜です。

七十二候では「はなさく」と読ませていますが、食用にされるのはつぼみです。フキのつぼみは防寒のため、白い綿毛のついた苞で幾重にも包まれています。それが次第に放射状に開いてくると、薄緑色の花のように見えます。食用に適しているのはつぼみの状態のときで、小さいものほど苦味が少なく、甘みがあります。

フキノトウは独特のほろ苦さやほこほこした食感もさることながら、なんといっても目のごちそうです。ふっくらとしたつぼみの形はまさに大地の息吹そのもの。蕗(ふき)は地下茎でつながっているので、ひとつ見つけると、あそこにも、ここにも、あった、あった、と次々に見つかります。

~生きる、72の季節~/款冬華さく

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