霜降 初候
霜始めて降る(しもはじめてふる)
10月23日〜10月27日頃

「寒露」の露が白い霜に変わる季節。北国や山間部では、初霜が降ります。小さな氷の結晶が苔や枯れ葉をうっすらと包む様子は美しく、さまざまな形が見られます。
霜が降りる条件は気温が3度以下、地表が0度以下になることです。近年は都市化や温暖化の影響で、昔に比べて初霜が一ヶ月以上遅くなり、霜が降りる期間も短くなってきています。平野部で霜を見ることはまだありませんが、朝夕の気温がぐっと下がって、紅葉が始まります。
紅葉はいわば木々の冬支度。樹木は自ら光合成を止めて、眠りにつきます。木の葉が赤や黄色に色づくのは木々が冬を定めた姿でもあります。
霜は本来、冬の季語ですので、晩秋に降る霜は「秋霜」「秋の霜」または「早霜(はやじも)」といいますが、時に農作物に被害をもたらすこともあるため、厳しいものの例えとされます。
「春風秋霜(しゅんぷうしゅうそう)」は、江戸時代の儒学者・佐藤一斎の言葉です。「他人に対しては春風のように優しく接し、自分に対しては秋の霜のように厳しく律する」という意味です。
近づく冬の気配に、自ずと身が引き締まっていきます。