大雪 初候
閉塞く冬と成る(そらさむくふゆとなる)
12月7日〜12月10日頃

山の雪が解けずに積もり始め、本格的な冬を迎えます。動物たちは冬眠に入り、北からやってきた渡り鳥たちが水辺を彩ります。
「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」は天地の気が塞がり、真冬になること、すなわち季節が初冬からいよいよ仲冬に入ることを感じさせる一候です。
『礼記』の月令には「天気上騰シ、地気下降、天地不通、閉塞シテ冬ヲ成ス」と記され、七十二候はこの最後の部分を採用したものです。
日本では「閉塞」を「そらさむく」と読ませ、重く塞がれたような冬の空を思わせますが、本来の意味は少し異なり、天の気は空に上がり、地の気は地中に閉蔵され、天と地が分かれ、通じ合わなくなることを意味しています。
冬は春から秋まで行われていた天と地の交流が終わり、お休み期間に入ると考えられていたのです。
また「塞」には砦(とりで)の意味もあります。生き物たちが眠りに入るように人間もしっかりと戸を塞いで、家に籠もる時。快適な冬支度や、暖かい食事が幸せをもたらしてくれる季節です。
日差しの弱さは感じるものの、天気のいい日はまださほど寒くはなく、青空もみえます。紅葉シーズンの最後を飾るイチョウは今が盛り。太陽の光を浴びて、眩しく輝いています。