雨水 末候
草木萌え動く(そうもくもえうごく)
3月1日〜3月4日頃

草木が一斉に萌え出す頃
ひと雨降るごとに大地がうるおい、小さな草が一斉に萌え出して、大地はあっという間に緑に覆われていきます。春ならではいきいきとした生命力をはっきりと感じられる季節です。
春の大地をうるおし、あらゆるいのちを生じさせる雨のことを、「万物生(ばんぶつしょう)」といいます。また木々を芽吹かせる雨でもあることから「木の芽起こし」ともいいます。
昔の人は懸命に生きようとする名もなき小さな種々(くさぐさ)を雑草とはいわず、「小草(おぐさ)」と呼んで、愛しんできました。「草萌え」「下萌え」「草の芽」「草青む」など、春は草を愛しむ季語がたくさんあります。
春の七草として知られるナズナ、ハコベラ、ホトケノザなどは今も都会の片隅で小さな花を咲かせ始めます。スミレやタンポポなど、大地はここから一気に花盛りを迎えます。路傍の小さな草に目をとめてみてください。
木々の枝先にみえる芽も大きく膨らんで、ミモザの黄色の花が咲き始めます。