芒種 初候
蟷螂生ず(かまきりしょうず)
6月5日〜6月9日頃

スポンジ状の卵鞘(らんしょう)からカマキリの子がぞろぞろと重なり合うようにぶらさがって生まれてくる頃。カマキリは昔から「拝み虫」と呼ばれてきました。英語でもpraying mantis(祈り虫)の名を持ちます。
生まれるとすぐに脱皮し、小さいながらも成虫とほぼ同じ鎌を持った姿に変わります。その愛らしい姿は昔から人々の目に止まっていたことでしょう。
ひとつの卵鞘から生まれるカマキリは200匹以上。成虫になって生き延びるのはわずか2、3匹といわれています。最初はアリに食べられてしまうほどか弱いカマキリですが、成長するにつれ、食べられる側から食べる側に回ります。
最終的には肉食昆虫の中でもトップに近い存在となり、畑のアブラムシやイモムシを食べてくれる益虫です。カマキリがいるということは捕食される小さな生きものたちがいるということでもあり、生態系の豊かさを象徴する虫でもあります。
6月4日は虫の日、6月5日は環境の日です。カマキリに限らず、虫を目にすることが多くなってくる季節です。