芒種 末候

梅子黄なり(うめのみきなり)

6月16日〜6月20日頃

日本人は雨期を「梅雨」と呼ぶように、梅雨どきは大きくふくらんだ梅の実がゆっくりと黄ばんでくる季節。梅雨を「つゆ」と読むのは植物にたくさんの露がつくからとも、梅の実が熟して潰れる「ついゆ」から来たともいわれています。

梅酒や梅シロップなど「梅仕事」が楽しい季節です。梅干しはちょうど梅雨入りの頃に浸け始め、梅雨明けの猛暑が始まった頃に干すことで完成します。ものが腐りやすく、食中毒をおこしやすい雨期に梅の実が実り、その梅を使って、もっとも殺菌力が強く、夏バテや熱中症予防に最適な梅干しが完成し、夏を乗り切る力を与えてくれます。自然の摂理は見事です。

梅干しを塩漬けすると数日でびっくりするほど水が上がってきます。この梅酢もクエン酸やカリウムが豊富で、野菜の浅漬けに使ったり、炊飯時に加えると傷みにくくなったりとさまざまな活用法があります。

また、味加減や、ものごとの調子や具合がちょうどよいことを「いいあんばい」といったりしますが、これも梅を漬けるときのちょうどいい塩加減、「塩梅」からきています。何事もやり過ぎず、そして引きすぎることなく、いい塩梅に。

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