春分 末候
雷乃声を発す(かみなりこえをはっす)
3月30日〜4月3日頃

桜が満開をすぎた頃、雷がゴロゴロと鳴って、雨が降り出します。楽しみにしていたお花見の日に雨が降り、がっかりすることがありますが、これは毎年繰り返されている順当な「花散らし」の雨です。
春の雷は夏のように大きな被害を出すこともなく、遠くからゆっくりと近づいてきて、数回、大きく轟いたかと思うとすぐに遠のいていきます。小さくゴロゴロと鳴っている雷はどこか懐かしくもあります。
「龍は春分にして天に登り、秋分にして淵に潜む」とされた中国の故事から、「龍天に登る」は仲春の季語、「龍水に潜む」は仲秋の季語となりました。
春雷はまさに龍神様のお出ましです。池の底に眠っていた龍がめざめて天に登って雨を降らせ、田畑をうるおし、いよいよ農耕の準備が始まります。
雨だけでなく風の強い日もあり、「花発(ひら)いて風雨多し」ともいいます。花びらが巻き上げられて空高く舞う「花吹雪」や「花筏」が見られる季節です。