冬至 初候
乃東生ず(なつかれくさしょうず)
12月21日〜12月25日頃

冬至の初候は「乃東生(なつかれくさしょうず)」。半年前の夏至の初候「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対になっている一候です。
乃東は紫色の花を咲かせるシソ科の多年草で、夏に枯れていく花穂の姿が矢入れの靭(うつぼ)に似ていることからウツボグサ(靭草)の名で知られています。
茶色になった花穂は古くから生薬として用いられ、中国では夏枯草(かごそう)と呼ばれていました。七十二候の読み方もこの生薬名に倣って「なつかれくさ」となっています。
「生ず」というと芽を出すかのように思われがちですが、夏枯草は冬の間も枯れることなく、地面を這うように緑の葉を広げているロゼット植物のひとつです。
変化がはっきりと目にみえるわけではありませんが、冬至を境に少しずつ日が伸びていくことを感じとり、冬越しの植物たちがゆっくりと目覚めていく。そんなイメージをしていただければと思います。
旧暦の十一月には必ず冬至が含まれます。十二支でいうと新しいサイクルが始まる「子の月」にあたります。太陽の復活を祝い、柚子湯に浸かって身体をあたためましょう。