清明 末候
虹始めて見る(にじはじめてあらわる)
4月14日〜4月20日頃

「初虹(はつにじ)」は晩春の季語で、いよいよ春が終わりに近づき、夏に向かうサインでもあります。
虹は空中の水滴に太陽の光線が当たることによって出現する光のプリズムですが、春の雨は降ったり止んだり、雨粒も小さく、太陽の光も強くないので、短時間で消えてしまうことが多く、その淡いところがまたいいものでもあります。
自然現象である虹に虫の字が入るのはなぜでしょうか。本来の虫という字は鳥、魚、獣のどれにも属さないもの、主にヘビ(蛇)をさす言葉でした。
虹は空に昇った大蛇が、龍になるときの姿と考えられていたのです。「工」は貫くことを意味しますので、「空を貫いてかかる龍」が虹の意味になります。ちなみに朧(おぼろ)も「月に龍」なので、龍はやはり水の化身です。
虹が見えるのは太陽と反対側で、朝の場合は西の空、夕方の場合は東の空に大きく上がります。