大暑 末候
大雨時行(たいうときどきにふる)
8月2日〜8月7日頃

日中の気温がぐんぐんと上がる、炎暑の季節。空は青く晴れ渡り、地平線の向こうには、もくもくと湧き上がる夏の積乱雲が姿を現します。入道雲、あるいは雷雲とも呼ばれるこの雲は、強い日差しによって地上近くの湿った空気があたためられ、上昇気流となって生まれる夏特有の雲です。
この雲には地方ごとに名前があり、関東では坂東太郎、関西では丹波太郎、長野では信濃太郎など、親しみをこめて呼ばれてきました。山のように高く聳え立つことから、「雲の峰」という季語もあります。
夕立(ゆうだち)とは、この積乱雲が降らせる一時的な激しい雨。しとしとと降る雨ではなく、大粒の雨が突然、降り出し、雷をともなうこともあります。この夕立が降るようになると、夏もいよいよ終盤。雨はたいてい短時間で止み、暑さに包まれた一日に、ホッとするような涼やかな終わりをもたらしてくれます。
木々の枝まですっかり洗い流されることから、濯枝雨(たくしう)ともいいます。厳しい暑さにじっと耐えていた植物たちはたっぷりと水を浴びて息を吹き返し、葉の先からポタポタと水滴がこぼれ落ちています。