小暑 末候

鷹乃学を習う(たかわざをならう)

7月17日〜7月21日頃

猛禽類のオオタカが親子で大空を舞うのは、ほんの一時期だけです。オオタカは広い縄張りを必要とするため、若鳥が親から離れていけば、二度と会うことはありません。

羽ばたかずに上昇気流に乗る旋回飛行、空中で獲物を捕らえるホバリング、背面飛行や急降下など、巣を出た若鳥は少しずつ行動範囲を広げ、さまざまな技術を学んでいきます。

昔の人が願う初夢といえば「一富士二鷹三茄子」。オオタカは空を悠々と旋回し、高度な技術を使って正々堂々と狩りをします。気高く、強く生きる鷹は人々の憧れの存在でした。

オオタカの求愛は2〜3月頃に始まり、放卵期が約40日、子育て期間が約40 日。巣立ってから行動を共にする期間が約一ヶ月。8〜9月頃に親元を離れますので、オオタカの親は一年のうち半分を子育てのために過ごしています。

空を舞う親子鷹。日本人はそのたくましい姿を眩しく見上げ、そっと慈しみ、季節の指標としてきました。

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