処暑 次候
天地始粛(てんちはじめてさむし)
8月28日〜9月2日頃

ようやく夜の涼しさを感じるようになる頃ですが、日中は気温が上がり、残暑の厳しい日々が続きます。
この強い日差しを浴びて、受粉を終えた稲穂が少しずつ実り始めます。受粉から収穫までのこの期間を「登熟(とうじゅく)」と呼びますが、この時期に昼夜の気温差があることが、美味しいお米づくりには欠かせません。昼は十分に日を浴び、夜は涼しくなることで、日中に光合成によって生まれたデンプンが稲穂に蓄えられ、粘りと甘みのあるお米に育っていきます。
また、この時期は「二百十日」にあたり、台風の襲来が懸念されます。収穫を目前にした稲が被害を受けないよう、早稲を神に捧げ、風を鎮める祭りを行い、豊かな実りを祈ってきました。
田んぼの稲穂が黄色く色づき始めると、空には赤トンボが舞い、虫の音も日に日に大きくなり、秋の訪れをはっきりと告げています。
昼夜の寒暖差が大きくなるため、体調を崩しやすい時期でもあります。冷たいものを控え、あたたかい飲み物や軽い運動でめぐりを整えることが、残暑を健やかにのりきる養生につながります。