立春 次候

黄鶯睍睆く(うぐいすなく)

2月9日〜2月13日頃

うぐいすの初音が聴こえる頃

「梅に鶯」は日本の春を象徴するモチーフとして、しばしば絵に描かれ、歌に詠まれてきました。鶯の別名は春告鳥(はるつげどり)。「ホーホケキョ」の聞きなしから経読鳥(きょうよみどり)、梅の枝にとまることから匂鳥(においどり)という呼び名もあります。

鈴のように透き通るそのさえずりは、春がきた!と思わせてくれる素晴らしい美声です。ウグイスの第一声を「初音(はつね)」といいますが、はっきりしない、ぐずぐずした鳴き声を「ぐぜり」といいます。

ぐぜりであってもウグイスはウグイス。鈴がころんだような澄んだ鳴き声は空気を浄化するかのように鮮烈に響きます。最初はぐぜっていたウグイスが春の深まりとともに、上手になっていくのも楽しみのひとつ。若鳥だけでなく、成鳥も毎年ぐぜりから始まって、次第に美しい鳴き声になります。

初音を聴いて心が踊るのは今も昔も変わりません。昨年も聞いた懐かしく、美しいさえずり。ああ、また春を無事に迎えられたという安堵と喜びが、胸いっぱいに広がります。

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